
脳血管障害で運動に関係する脳内の機能組織が損傷した場合などにより、 身体の片側に麻痺が起こり、身体半分が上手に動かせなくなることがあります。
麻痺は運動障害以外にも、言語障害や失認などの障害をもたらすことがありますが、 今回は運動障害における介護の仕方を説明します。
- 歩行の介助
- 着替えの介助
- 入浴の介助
- トイレの介助
歩行の介助
片麻痺の方の歩行介助には、杖を使用する場合と使用しない場合があります。 どちらの場合も「転倒の可能性が高い麻痺のある方に立つ」 ことを心がけましょう。 杖を使用する場合、介護者は斜め後ろに立ちます。
階段や段差があるところでの介助も基本は同じですが、段差のない場所に比べて転倒の危険性が高まります。 そのため、腰や脇に手を添え、転びそうになった時にすぐに支えられるようにしましょう。 また、段差を下りる場合は、斜め前に立って安全を確保します。
着替えの介助
着替えの介助では、服を脱ぐときと着るときで手足を通す順番が変わります。
- 脱ぐとき …… 麻痺のない側→麻痺のある側
- 着るとき …… 麻痺のある側→麻痺のない側
本人の自立を促すよう、できるところまでは自分でやってもらうようにしましょう。
上着を脱ぐ
- 麻痺のない側で後ろ側の襟をつかみ、頭から脱ぎます。
- 麻痺のない側の袖をつかみ、服をひっぱるようにして脱ぎます。
上着を着る
- 麻痺のない側の手で、麻痺のある側の袖を通します。
- 麻痺のない側の袖を通し、頭を入れます。
- 背中側の服を下げます。
ズボンを脱ぐ
- 身体を麻痺のある側に傾けて、麻痺のない側を腰からおしりまで下ろします。
(倒れないように、患側には壁などの支えがある方が安心です) - 麻痺のない側に身体を傾けて、麻痺のない側のズボンを下ろします。
- 麻痺のない側のズボンを脱ぎ、麻痺のある側の足を手で持ち上げて脱ぎます。
ズボンを着る
- 麻痺のある側の足を手で持ち上げ、ズボンを通します。
- 麻痺のない側の足を通して、ズボンを引き上げます。
- 左右の腰を上げるようにして、腰までズボンを引き上げます。
入浴の介助
福祉用具を活用し、浴室の環境を整えることで、麻痺がある人でも1人で入浴することは可能です。 浴槽用手すりやバスボード、滑り止めマット、シャワーチェアなどを用意しましょう。
また、できれば浴室のドアは引き戸か外開きにし、入り口の段差をなくしましょう。
体を洗う
- ボディブラシやループ付のタオルを使って、出来る限り本人が洗うようにします。
- 麻痺のある側の手が拘縮している場合、洗う時に無理に手首を伸ばさず、丁寧に指を開いて洗うようにします。
- 麻痺のない側を洗うときは、麻痺のある側の手にタオルを挟むようにして、麻痺のない側の手を動かして洗うようにします。
入浴時
- 足にかけ湯をして、麻痺のない側からバスボードに腰かけます。
- 手すりで身体を支え、麻痺のない側から、麻痺のある側の順番で足を浴槽に入れます。
- 必要に応じて介護者が胴を支えます。
- 浴槽からでるときは、身体の向きをかえ、バスボードを反対側におきます。
- 介護者は麻痺のない側の手を持ち、手前に引くようにして立ちあがらせます。
- バスボードに腰をかけ、麻痺のない側の足からでます。
介護する時、腕の部分を支えがちですが、腕では力が入らないため介護者は疲れ、 要介護者は不安になります。
胴を支えると最も安定するため胴をしっかり支えましょう。
トイレの介助
入室しやすいようドアを引き戸にする、ズボンを下げるときに体を預けられるよう、 手すりを健側の前方に縦に配置する、立ち上がりやすいよう便座を高くする、といった工夫をし、 使いやすいトイレにすることで、自立に近いレベルを保てるようにしましょう。
自力で立ち上がれない場合の介助
- 麻痺のない側で車いすの手すりを握って力を入れてもらい、 立ち上がる時に麻痺のある側の足を両足で挟むようにして両手で腰を持ち上げます。
- 倒れないように補助をした状態で、下着を降ろします。
- 利き足を軸にしてトイレの方向に回転してもらい、麻痺のない側の手で手すりを握ってもらい、 腰を支えてあげながら便座に座らせます。
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